金沢市 視覚障害者の雇用と生活支援における要望書2021

「あうわ」視覚障害者の働くを考える会は
金沢市へ視覚障害者の雇用と生活支援における要望書を提出しました。
要望書と、金沢市からの回答です。
リンクのファイルはPDFファイルです。
回答は段組みになっているためにスクリーンリーダーでは認識しづらいので、テキストで掲載します。

2021(R3)要望書.PDF

2021(R3)要望書回答.PDF

視覚障害者の雇用と生活支援における要望書

令和3年11月5日
「あうわ」視覚障害者の働くを考える会代表 林 由美子

 私たち「あうわ」視覚障害者の働くを考える会は、金沢市の市民協働団体として障害があっても就労に就き、人の役に立つことで生きがいを感じることができる街づくりを目指して活動を続けています。
発会当初は、視覚障害の当事者として本来、受けられるはずの支援に繋がらない現実を変えたいとの思いから出発しました。その後、多くの方からご助言をいただく中、生活支援と就労支援それぞれに大きな問題があると実感するようになりました。その一つは、支援に繋がれない現実があること。もう一つは、視覚障害者の就労に大きな地域格差があることです。
本年は、ツェーゲン様と金沢青年会議所様との協働で視覚障害者向けの実況中継を聞きながら試合観戦をする「Future Challenge Project」の開催により視覚障害者の生活の向上への新しい取り組みに挑戦しました。その企画の中で視覚障害者が抱える困難な現状を多くの方と共有する機会を得たことは会としても大きな収穫となりました。
また、毎年、秋に関連行政機関の皆様との意見交換の場として開催している「視覚障害者の働くを考える座談会」も3回目の開催を予定しており、視覚障害者の就労についてより具体的な議論の場としていきたいと思っています。これまでの活動の中から金沢市における視覚障害者支援の充実のために”今、視覚障害の当事者が考える必要な支援”として以下、要望します。

  • 眼科医から視覚障害者に対して障害者手帳の申請の案内を徹底すること。
  • 地域生活支援および生活訓練・歩行訓練の充実を図ること。
  • 移動支援・同行援護の拡充を図ること。
  • 生活訓練としてPC音声ソフトやIT機器の操作方法が学べる場をつくること。
  • 視覚に障害があっても受けられる職業訓練の体制を確立すること。
  • 金沢市職員として視覚障害者が働ける環境づくりを行い視覚障害者雇用のロールモデルを作ること。
  • ヘルスキーパーの採用企業を増やすための周知活動を行うこと。
  • 金沢市のLINEポッドに障害者支援を開設すること。

視覚障害者の雇用と生活支援における要望書の回答

1
要望
 眼科医から視覚障害者に対して、障害者手帳の申請の案内を徹底すること。

回答
 石川県視覚障害者協会は石川県眼科医会と連携して、視覚支援に関するネットワーク団体を運営し、定期的な懇談会を開催していることから、障害者手帳の申請案内については、当団体を通じて周知していきたい。
【障害福祉課】

2
要望
 地域生活支援および生活訓練・歩行訓練の充実を図ること。

回答
 これまでにも金沢市視覚障害者協会と連携し、重度視覚障害がある人の生活訓練を実施してきたが、訓練内容の充実については、障害のある人のニーズや社会情勢の変化に応じて、市視覚障害者協会と協議していきたい。
【障害福祉課】

3
要望
 移動支援・同行援護の拡充を図ること。

回答
 同行援護については国の制度であるため、国の制度改正等の動向を注視しながら、適切に対応していく。
 移動支援については市町村事業ではあるが、国の制度から移行したサービスであることから、制度の拡充については、他都市の状況や本市のサービス提供体制を鑑みながら、検討していきたい。
【障害福祉課】

4
要望
 生活訓練としてPC音声ソフトやIT機器の操作方法が学べる場をつくること。

回答
 デジタル化の推進により社会参加を促し、豊かな日常生活につなげることが求められていると考えており、既存事業である視覚障害者生活訓練事業の中で、ITを活用した訓練ができないか検討していきたい。
【障害福祉課】

5
要望
 視覚に障害があっても受けられる職業訓練の体制を確立すること。

回答
(障害福祉課)
 視覚に障害がある人の一般就労については、パソコン技術の習得やジョブコーチなどのサポート体制の確保、企業の理解など課題が多い。職業訓練の体制づくりについては、国、県及び市視覚障害者協会と連携した研究が必要であると考えている。

(労働政策課)
 障害のある方の職業能力開発と自立支援を図るため、県内の公共職業訓練施設において職業訓練を受ける場合に、奨励金を交付している。視覚障害の状況によっては入校できる場合もあることから、必要な情報が行き届くよう周知に努めていく。
【障害福祉課・労働政策課】

6
要望
 金沢市職員として視覚障害者が働ける環境づくりを行い、視覚障害者雇用のロールモデルを作ること。

回答
 金沢市職員になるには、障害のある方についても、障害の種別にかかわらず職員採用試験を受験する必要がある。
 視覚障害者の方の採用については、点字試験の実施や採用後の職務内容など課題があると考えており、研究課題としていきたい。
【人事課】

7
要望
 ヘルスキーパーの採用企業を増やすための周知活動を行うこと。

回答
 平成29年度に、視覚に障害のある方をヘルスキーパーとして雇用している事業所を「金沢市はたらく人にやさしい事業所」として表彰した。当該取組については、「金沢市はたらくサイト」や企業の担当者を対象に開催する「働き方改革セミナー」において、優良事例として紹介するなどしており、引き続き、効果的な発信に努めていく。
【労働政策課】

8
要望
 金沢市のLINEポッドに障害者支援を開設すること。

回答
 障害のある人への情報発信の観点からも、インターネットやSNSを活用した相談支援サービスなどの開設は、有効な手段であると考えている。 他都市の状況も鑑みながら、研究していきたい。
【障害福祉課】

以上

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