公共職業訓練に通う気持ちや現状を聞く会

総会に先立ち、公共職業訓練に通う「あうわ」会員の体験を聞く勉強会を開催しました

大阪にある(社福)日本ライトハウスの公共職業訓練(委託)に通う会員のH.Iさんが、職業訓練に通うに至った動機、訓練選考までのプロセスや現在の状況について

また、実際に訓練がスタートしてから感じている気づきについても、より具体的に期待する成果、努力していること、困りごとなどをとても分かりやすく具体的に語ってもらいました

H.I.さんは、2024年4月~大阪の日本ライトハウス視覚障害リハビリテーションセンターの職業訓練部にて、情報処理系の訓練を受けています(期間は1年間)

訓練内容は、スクリーンリーダー、画面拡大ソフト画面操作、ワード、エクセルの操作、プログラミング、パワーポイント、簿記など事務職を目指した訓練など多岐にわたっているとのことです

高校卒業後、県内の盲学校理療科で学び、※三療の国家資格を取得したのち、鍼灸マッサージ師としてクリニックに18年勤務していました
(※ 三療とは
 はり、きゅう、あん摩マッサージ指圧のことを指します)

しかし、同じところだけで働くのではなく、いろいろな所で働いてみたいという思いに徐々になっていたが、石川県では障害者の再就職が難しいと聞いていたため、職域の幅を広げたいという思いがあっても、視覚障害者の訓練が県内にはなく、だからといって県外に出ることはハードルが高いというのが現実でした

そんな時、自分の正直な気持ちをまわりの人達に相談してみたところ、誰一人としてやめた方がいいと言う人はおらず、逆にアドバイスをくれたり、みんなが県外へ職業訓練にいくことを応援してくれたことが、H.I.さんの背中を押し、訓練への決心がついたのです

まず、最初に2023年9月にハローワークへ出向き、求職の登録をしました

その時に、職業訓練をしたいと伝えた所、最初に石川障害者職業能力開発校をすすめられたが、関東で事務職をしている視覚障害者の友人に確認した所、「その開発校は障害者全般対象のところだから視覚障害者対象ではない、県外で勉強した方がいい」と聞きました

そういう経緯もあり、ハローワークの窓口で「あうわ」が作成している資料を持参し、訓練施設一覧を見せて説明しました

振り返ると、その時の職員の方への説明が一番大変でしたが、その後、東京四谷の日本視覚障害者職能開発センター、埼玉所沢の国立障害者リハビリテーションセンター、大阪の日本ライトハウス
を紹介していただきました

その中から、H.I.さん自身が東京・大阪に友人がいるという理由もあり、2つを選択肢としました

しかし、東京は等級でひっかかること(3級以下は一般と一緒に勉強するとのこと)が理由となり、等級関係なく受け入れてくれる大阪に決めました

2023年12月、ハローワークからライトハウスに連絡を取ってもらい、大阪に出向いての面談後、願書を受け取り、年末にハローワークに願書とレポートを提出するという流れでの挑戦でした

レポートテーマは「どのような勉強をしたいか」又は「訓練終了後、どのような職に就きたいか」の二択でした

2024年2月、入校試験を受けに行きました
試験内容は、15分間のタイピング(文字数計測あり)、10分程の面接、一般教養ペーパーテストもありました

ペーパーテストでは、算数・数学からの出題が多く、苦手科目のため苦労しましたが、一生懸命真剣に準備して受験したら、それに応えてくださり、無事合格を手にすることができました

3月末に大阪へ行き、4月から雇用保険をもらいながら勉強中です

現在、2か月半が経ち、毎日楽しく県外に出て良かったと思っています

訓練中、自分一人でワードでの表づくりができたときはとても感動しました
スクリーンリーダーはPC-talkerを使用して練習しています

また、ワード、ビジネス文書、議事録作成、表作成、PC検定を受けるための対策授業も始まっています

来月からエクセルの授業も始まる予定ですが、先輩から大変だと聞いていて、少しビビっているところです

ライトハウスの職員の方はいい人ばかりですし、5人いる同期は、年代はバラバラだけど、とても気が合い、休日に皆でご飯を食べに行ったり、京都へ旅行したりと、プライベートも充実しています

「残り9か月も頑張って勉強したい」と意欲にあふれる様子を語ってくれたH.I.さんから感じました

参考

視覚障害者のための主な支援機関一覧表(PDF)

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