「あうわ」視覚障害者の働くを考える会は
金沢市へ視覚障害者の雇用と生活支援における要望書を提出しました。
要望書と、金沢市からの回答です。
リンクのファイルはPDFファイルです。
回答は段組みになっているためにスクリーンリーダーでは認識しづらいので、テキストで掲載します。
視覚障害者の雇用と生活支援における要望書
令和4年11月日
「あうわ」視覚障害者の働くを考える会代表 林 由美子
私たち「あうわ」視覚障害者の働くを考える会は、金沢市の市民協働団体として障害があっても就労に就き、人の役に立つことで生きがいを感じることができる“まちづくり”を目指して活動を続け、6年目を迎えました。
この間、金沢市における視覚障害者の就労の課題について行政機関の皆様とともに課題認識の共有に取り組んでまいりました。特に、行政の関連部署の皆様と対話を重ねる中で、少しずつ議論が深まっていることを実感しております。
本年は、視覚障害者の就労の事例を紹介し、今後の支援にどのようにして繋ぐべきかを考える座談会として開催して参ります。
明年は石川県において第38回国民文化祭と第23回全国障害者芸術文化祭が開催されます。また、これらに先立ち第31回視覚障害者リハビリテーション研究発表大会も金沢市において開催されます。
これを機会に、視覚障害者の自立に向けた支援が、さらに拡大することを願い、本年の取り組みと現状を踏まえ、以下、要望します。
記
医療・福祉の連携
- 眼科医から視覚障害者に対して障害者手帳の申請の案内を徹底すること。
- ビジョンネット石川の周知と活用促進を図ること。
- 地域生活支援および生活訓練・歩行訓練の充実を図ること。特に、「中途視覚障害者緊急生活訓練事業」の早急な実施を求める。
生活・情報支援の強化
- 移動支援・同行援護の拡充を図ること。
- 金沢市のLINEポッドに障害者支援を開設すること。
- IT技術の革新を踏まえ、その技術の利用促進を図ること。
職業訓練、就労支援の充実
- 視覚に障害があっても受けられる職業訓練の体制を確立すること。
- 視覚障害者が金沢市職員として働ける環境づくりを行い、視覚障害者の就労のロールモデルを作ること。
- 「重度障害者等に対する通勤や職場等における支援」を早期に実施すること。
- ヘルスキーパーの採用企業を増やすための周知活動を行うこと。
以上
視覚障害者の雇用と生活支援における要望書の回答
障福 第2 7 4 8 号
令和5年3月23 日
(2023 年)
「あうわ」視覚障害者の働くを考える会代表 林 由美子 様
金沢市長 村山 卓
(公 印 省 略)
令和4年11 月24 日付けで依頼のありました要望事項につきまして、別添のとおり回答します。
福祉健康局障害福祉課
担 当 西村
電 話 220-2289
FAX 232-0294
医療・福祉の連携
1
要望
眼科医から視覚障害者に対して障害者手帳の申請の案内を徹底すること。
回答
石川県眼科医会との関係性を構築し、眼科医から障害者手帳を含めた各種サービスの情報発信をしていくことが効果的であると考えており、石川県視覚障害者協会が事務局を担うビジョンネット石川の懇談会等の機会を通じて、働きかけていきたい。
【障害福祉課】
2
要望
ビジョンネット石川の周知と活用促進を図ること。
回答
まずは金沢市視覚障害者協会と協力し、ビジョンネット石川との連携体制を構築することが必要であると考えている。
令和5年9月に本市で開催が予定されている「第31回視覚障害者リハビリテーション研究発表大会」を契機として、ビジョンネット石川の周知や活用促進に向け、何ができるか検討していきたい。
【障害福祉課】
3
要望
地域生活支援および生活訓練・歩行訓練の充実を図ること。特に、「中途視覚障害者緊急生活訓練事業」の早急な実施を求める。
回答
生活訓練・歩行訓練の充実や中途視覚障害者緊急生活訓練事業の実施においては、事業の受け皿となる金沢市視覚障害者協会の協力は不可欠であり、訓練士など人材の確保などの課題がある。
課題を整理するとともに、他都市の状況を鑑みながら研究していきたい。
【障害福祉課】
生活・情報支援の強化
4
要望
移動支援・同行援護の拡充を図ること。
回答
同行援護については国の制度であるため、国の制度改正等の動向を注視しながら、適切に対応していく。
市町村事業である移動支援については、事業者の報酬単価や確保などの課題とも連動していることから、制度の拡充については、金沢市障害者自立支援協議会などを活用し研究していきたい。
【障害福祉課】
5
要望
金沢市のLINEポッドに障害者支援を開設すること。
6
要望
IT技術の革新を踏まえ、その技術の利用促進を図ること。
回答(5,6)
昨年5月に施行された障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法を受け、「情報提供推進等専門委員会」を設置し、新たな情報通信機器・情報サービスやICTをはじめとする先進技術を活用した支援策等について協議を行った。
SNSを活用した相談支援サービスなどの開設は、障害のある人への情報発信の観点からも有効な手段であると考えている。
来年度、情報通信機器やICTに精通した障害のある人から構成する検討会を開催することとしており、IT技術の利用促進について協議していきたい。
【障害福祉課】
職業訓練、就労支援の充実
7
要望
視覚に障害があっても受けられる職業訓練の体制を確立すること。
回答
(障害福祉課)
視覚に障害がある人の一般就労については、パソコン技術の習得やジョブコーチなどのサポート体制の確保、企業の理解など課題が多い。職業訓練の体制づくりについては、国、県及び市視覚障害者協会と連携し、継続した研究が必要であると考えている。
(労働政策課)
また、障害のある方の職業能力開発と自立支援を図るため、県内の公共職業訓練施設において職業訓練を受ける場合に、奨励金を交付している。視覚障害の状況によっては、訓練可能なカリキュラムもあることから、ハローワークと連携し、就職面接会等の場で必要な情報が行き届くよう周知に努めていきたい。
【障害福祉課・労働政策課】
8
要望
視覚障害者が金沢市職員として働ける環境づくりを行い、視覚障
害者の就労のロールモデルを作ること。
回答
金沢市職員になるには、障害のある方についても、障害の種別にかかわらず職員採用試験を受験する必要がある。
視覚障害者の方の採用については、点字試験の実施や採用後の職務内容など課題があると考えており、研究課題としていきたい。
【人事課】
9
要望
「重度障害者等に対する通勤や職場等における支援」を早期に実施すること。
回答
重度障害者等に対する通勤や職場等における支援については、障害者雇用を促進する観点から、必要なことであると認識している。
一方では、雇用施策等と福祉施策を組み合わせて一体的に支援するものであることから、受け入れ側である事業者の状況やサービスを提供する事業者の確保などの課題等を鑑みながら検討していきたい。
【障害福祉課】
10
要望
ヘルスキーパーの採用企業を増やすための周知活動を行うこと。
回答
平成29年度に、視覚に障害のある方をヘルスキーパーとして雇用している事業所を「金沢市はたらく人にやさしい事業所」として表彰した。当該取組については、「金沢市はたらくサイト」や企業の担当者を対象に開催する「働き方改革セミナー」において、優良事例として紹介するなどしている。引き続き、障害のある方の就労に関する情報について、効果的な発信に努めていきたい。
【労働政策課】
以上